<コラム> 地方の高校生や親が直面する将来の選択肢

okane

前回コラムに掲載したとおり、私(筆者)は二人の子どもを持つ親です。

上は高校2年生ということもあり、すでに考え出すのが遅いのですが、つい数か月前、子ども二人が県外の大学などに進学する場合に、「いつまでにどれだけのお金を用意し、どれだけのお金を毎月捻出しなければならないのか?」を現在~下の子どもが卒業するまでの家計のシミュレーションをしてみたのです。エクセルを使って。

私の子どもは上と下で2学年離れています。上の子どもは大学に行きたいと言っているため、順調に高校を卒業し大学に行く場合、子ども二人が県外に出ると、仕送りなどのお金は、最初の2年間は一人分で済みますが、次の2年間は×2のお金が必要になってきます。

現地点で子どもが行きたいという学校や場所を想定し、必要な学費や仕送り・生活費などを、エクセルでシミュレーションするとビックリ。

もちろん、県内の学校に行きたいのであればそれを拒むことはありませんが、子どもが「ここに行きたい」という意思があるのであれば親としてなんとしてでも行かせてやりたい。そう思っています。それは多かれ少なかれ、どこの家庭もそうでしょう。

ですが、地方に住まう親には想いに反するケースが多々あるのだろうと、容易に想像できたわけです。

 

地方に住まう子どもを東京などの大学に行かせる場合

例えば、地方から東京の大学に行かせる場合、当たり前ですが入学金や学費・教材費などのほかに、家賃や水道光熱費などのお金と、多少の生活費。住み始めは当然、家の敷金・礼金や、冷蔵庫や布団やらの生活用品が必要になります。

もちろん自宅生は、このお金が不要なわけですので、この出費の差は大きい。

さらに、東京と地方とでは、生活にかかる費用が違うとはいえ、親の収入の差も大きい。1.5~2倍近く違うこともざらではないでしょう。

“一般的な話・平均的な話をすれば”、東京で働くよりも地方の人は、平均的に収入がかなり少ない。にも関わらず、東京で働く親よりも、かなり多く、かつ長期間出費しなければならないわけです。

まして子ども一人ならまだしも、子ども二人や三人などいる場合はシャレにならないお金が毎月飛んでいくわけです。

 

 

地方の大学は数校あれども、その間は少しずつ差があるはずなのだが…

地方にもよるとは思いますが、その多くは、その地方それぞれで複数大学が存在します。
たとえばA大学とB大学、C大学がある場合、「偏差値」だけを基準にすると、A大学とB大学には偏差値の隙間がある。B大学とC大学も同様。

地方がスキ!という人は当てはまらないのかもしれませんが、経済的に県外の学校に行けない場合、

・A大学よりも上を目指せるのにも関わらずA大学を選択する
・A大学はギリギリ厳しい学生はB大学に行く
・B大学が厳しい人はC大学へ行く
・C大学が厳しい人は就職か専門学校へ行く

といった進路を選択する人は、どうも少なくはないそうです。

もちろん、これはあくまで「偏差値という杓子」の中での話ですのでA大学、B大学、C大学それぞれ、特徴も違えば、学科だって違うでしょう。
違いがあるにも関わらず、少々のミスマッチがあったとしても、その選択肢の中から選ばざるを得ない。

もちろん住めば都。子どもの進路は、これらのことがあったからと言って、決して将来が悪くなるというわけではないでしょう。
ただ、地元にある学校の数が少なければ少ないほど、「限られた選択肢を強いられている」ことに違いはないということです。

 

 

給付型奨学金制度の存在は、全ての人は潤さないが、
少ないと思われる選択肢も、「知る」ことで選択肢は広がるはず

給付型奨学金制度は、年々増えているように思われます。ですが、人数に限りがある。さすがに、県外から来る学生全員、しかも学費だけでなく生活費含め面倒を見るような太っ腹なことは難しいですよね。

しかし、「わー、こんなに生活費や学費がかかってしまうから県外は無理だ!!」と諦めてしまうのは、正しくはありません。

例えば神奈川県などは、東京に電車一本数十分で行ける上、家賃も東京ほど高くもない場所が多くあります。おそらく違う場所でも同様のことが言えるかもしれません。

また、私立大学も、国立大学ほどではないが、比較的学費の安い大学もありますし、学費の減免や奨学金制度をうまく使えば、恐れるほどの負担がかからない場合もあります。

 

 

「知らない」という不幸

どちらにせよ、親の負担は決して軽くはありませんが、ちゃんと調べて、きちんとシミュレーションすればなんとかなる場合だってあります。
しかし、「知らないことで、最初からその選択肢を早いうちに絞り込んでいる人が多い」ように感じてならないのです。

無論、県外からの学生を集める必要のない大学は、わざわざ「知ってもらう」必要はないかもしれません。
自分が住まう街の学校に進学することが幸せの場合も、多々あります。

しかし、大学の皆さまには、地方にいる親の現状を理解したうえで、「わかりやすい経済的な訴求」を是非やってもらいたい。
(大学として、経済的訴求をすることが難しいことは重々承知していますが。。)

先の記事で、「情報の質と量」の話をさせていただきましたが、この「質」のところで、学費や生活費に関する情報の質を向上させ、露出していくことが、地方出身者を獲得する一つのカギになるのだと思います。
「質」とは、当事者目線に立った情報提供です。情報の羅列だけでは、なかなか人の心はもちろん、親の“経済的な負担を負う覚悟”を動かすことなどできないでしょう。

 

 

 

著者:株式会社357 取締役 末岐

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