<コラム>大学の”ブランド”とは果たして何なのか?②

うちの子にこの大学は何をしてくれるのか?

そう考えたとき、ふと私たちのクライアントでもある神奈川大学様を思い出しました。

神奈川大学様は、「約束します、成長力。―成長支援第一主義―」という言葉を掲げておられます。
あらためて素晴らしい言葉だと思います。
思えば、弊社が大学サイトをリニューアルさせていただいた際に、掲げたコンセプトとは
・「約束します、成長力。―成長支援第一主義―」の具現化。
・サイトに来ていただく方への“おもてなし”の更なる向上
でした。

リニューアルし、年月は経つものの、その想いはいまも変わらずに、サポートさせていただいています。

われわれ自身も、その気持ちを忘れることなく、大学様の支援をしっかりとプロの目線で行わなければ、あらためて気を引き締めていかなければならないと感じました。

 

ブランドステートメントとは、見る人が識別しやすくなる。
そして、自分たちもそうならねば!という共通認識を持つことができる

企業のCIにおける「ブランドステートメント」の意味合いは、
見る人(つまり消費者)が、その企業を識別するための“言語化”されたメッセージです。その言葉を聞いただけで、その企業名が連想される。その言葉を聞いただけで、その企業のサービスや方向性・理念がわかるものです。

反対に、インナーブランディングの役割としてもこのブランドステートメントは重要な意味を持ちます。
ブランドを構築するため、ロゴやコピー、CM、ホームページを美しく着飾ったとしても、すぐに消費者に見破られてしまいます。つまり、実が伴っていなければならない。
その実をつくるのは人です。
企業であれば、社員が企業の理念や目標を共有し、それに向かって役割分担をしながら、消費者に成功体験を与えていく。その積み重ねがブランドとなる。
ブランドステートメントは、そんな社員たちの「旗印」のようなものです。
「約束します、成長力。」という言葉は、まさに大学の教職員が一丸になって、「学生の成長という目的に対して全力でサポートします」という約束でもあるのです。
どの大学も当然、「面倒見がいい」「学生一人ひとりの」という(きれいな)言葉を広報で使用します。しかし、多くの生徒や保護者の方々は、そんなありきたりの言葉は見慣れていることだと思います。
だからこそ、思い切ってブランドステートメントとして、「約束します、成長力。」と言いきってしまうことは、見る人にとっても、潔く、決意を感じる言葉として伝わってくるのではないかと思います。

 

マーケティングに必要な要素、3C分析

CI開発の際、3C分析は必ず行っています。3Cとは、「Customer:市場・顧客」「Competitor:競合」「Company:自社」です。大学においても同じことが言えます。「Customer:受験生」「Competitor:競合大学」「Company:自分たちの大学」です。

先日、地元のある私立高校の進路指導の先生にお話をお伺いすることがありました。多くの言葉をお聞かせいただきましたが、その中でこんなことをおっしゃっていました。
「近年特に地元志向が強い。県外の大学の方が高校営業に訪問いただくが、近くに同じようなことが学べる大学があるのに、わざわざ県外の遠い大学を生徒にあえてすすめるメリットがわからない…」と。

企業の感覚で言うと、
『「Customer:市場・顧客」と「Competitor:競合」を分析したうえで、何を強みとして「Company:自社」をPRするのか?』をきちんと考えないまま、営業してしまったと言うことです。

つまり、近くに同じようなことが学べる大学があるのに、(不利な状態で)競合と同じ特徴を売ろうとしてしまったのだと思います。

 

ブランディングには、その幹となるものが必要。
そして広報や営業活動には戦略が必要だ

ブランディングは1日にしてならず。長い年月をかけステークホルダーの成功体験を積み重ねることで、それが中長期的なブランドになります。しかし現在はSNSが多用されているため、その成功体験は比較的伝播しやすくなっています。成功体験を積み重ねるためには、大学側のマネジメントが一番大切ですが、WEBをはじめとする広報媒体でもできることはあります。

それは、広報媒体に具体的な方針・姿勢を発信し続けることです。
一つはそれがインナーブランディング=教職員への意識づけにつながるためです。意識づけはいつか、ホンモノのサービスへとつながっていくはずです。
二つ目は、アウターブランディング=他との“明確な差別化”です。高校の先生が口に出された「近くに同じようなことが学べる大学があるのに、わざわざ…」という言葉は、つまり“明確な差別化”がなされていないためです。

また、広報や営業活動は戦略が必要です。例えばどの地域から、どれだけ顧客を獲得したいか?そのために、競合と比較し、何をPRポイントとして広報・営業をかけるのか?という戦略。さらには、すべての広報媒体を洗い出し、それぞれの役割など整理することも必要な作業です。

 

いまだからこそ大学ブランディングが重要なのでは?

18歳人口が減少することへの危機感。その蓋を開けてみれば合格定員の厳格化や併願者が多いこともあり、私立大学(特に難関・中堅私立大学)の志願者数は一見好調です。厳しい見方をすると、受験者獲得のための広報がうまくいっている結果かどうかは不明です。
しかし、そんな今だからこそ、いま目の前の受験生だけに気をとられるのではなく、中長期的に「選ばれる大学になるためのブランディング」に取り組むべきなのではないか?と感じます。

とはいえ、高校の進路指導の先生がおっしゃっていたことが今でも耳に残っています。
「一人で何枚も合格通知を持っている生徒がいるんだけど、持っていない生徒は1枚も持っていないんです。どうにかしたいのは実はその1枚も合格通知を持っていない生徒なんです」と。
併願をたくさんして、たくさん合格通知を持った生徒は、身体は一つ。一つの大学の一つの学科にしか行けません。志願者数という指標は、果たして現状を正しく表す指標なのでしょうか。

 

著者:株式会社357 取締役 末岐

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